今回は少し変化球な選曲。
ジョセフ・シュワントナー:打楽器協奏曲
クリストファー・ラム(独奏打楽器)/ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)/ナッシュヴィル交響楽団
現代アメリカの作曲家で、殊に『…そしてどこにも山の姿はない』で有名なシュワントナー。
日本では吹奏楽の作曲家としての知名度が圧倒的ですが、管弦楽作品も多々リリースされています。
その中で私イチ押しが打楽器協奏曲。
シュワントナー作品は点描的な音使いと研ぎ澄まされたハーモニー。そして打楽器群とオーケストラによるダイナミックな音響が特徴的であると思いますが、この協奏曲はそれらのエッセンスが最大限に発揮された作品です。(きらきら、どこどこ、がっしゃーん。)
数少ない打楽器協奏曲の中でも指折りの名曲ですよ。
この盤には『朝の抱擁』、『光を追いながら』の二つの管弦楽作品も録音されています。どちらもシュワントナー節満載の素晴らしい作品です。(あくまでも現代音楽の括りですが。)
因みに打楽器協奏曲は他にもいくつか録音があります。
※プライムミュージックで視聴できません。
The Music Of Joseph Schwantner / Slatkin, Glennie, National SO, et al
- アーティスト: Joseph Schwantner,Leonard Slatkin,Vernon Jordan,Washington National Symphony Orchestra
- 出版社/メーカー: RCA
- 発売日: 1997/09/16
- メディア: CD
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エヴリン・グレニー(独奏)/レナード・スラットキン/ナショナル管弦楽団による世界初録音盤。スラットキンはシュワントナーの『無限の余韻』という管弦楽作品も録音しており、この盤も完成度の非常に高い演奏です。グレニー女史のダイナミックなソロも充実の極み。
併録のマリンバ独奏の『ヴェロシティーズ』、キング牧師の演説に曲を付した『新たなる時代の黎明』もかっこいい。
おススメの1枚なのですが、残念ながら廃盤……。
そしてこちらは吹奏楽(ウィンド・アンサンブル)ための作品集。
※プライムミュージックで視聴できません。
Composer's Collection: Joseph Schwantner
- アーティスト: Eugene Migliaro
- 出版社/メーカー: GIA WindWorks
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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『…そしてどこにも山の姿はない』『暗黒の一千年代』『静められた夜に』『リコイル』と有名曲は網羅されています。演奏もユージン・コーポロン/ノーステキサス・ウィンドによる共感に満ちた充実の演奏。
もちろん打楽器協奏曲も吹奏楽伴奏(ボイセンJrによる編曲)。
現代音楽と言うと拒否感を覚える人って結構いるのですが今一度「現代音楽」って何だろうと考えてみると面白いと思います。
確かに私もセリエリズムとかの無機質な現代音楽は苦手なのですが……かといってそれだけが現代音楽の姿ではないのです。言うなれば新作は全て「現代」音楽ですからね(笑)
とは言え百聞は一聴にしかずです。その一聴が自分の中の固定概念を覆すかもしれませんよ。