七福蕎麦で会おう

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【今日の一枚】ツェムリンスキー:叙情交響曲/交響的歌曲(シャイー/コンセルトヘボウ)

ツェムリンスキー:抒情交響曲

アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー
・叙情交響曲 op.18
 アレクサンドラ・マルク(S)
 ホーカン・ハーゲゴード(Br)

・交響的歌曲 op.20
 ウィラード・ホワイト(B)


 リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 

私がこの曲に出会ったのは高校2年の秋~冬頃。当時私は吹奏楽部で、ひょんな事からストラヴィンスキーにハマりクラシック気違いの一歩を踏み出し始めた時期でした(笑)

出たばかりのラトル/ベルリン・フィルストラヴィンスキー交響曲集を聴いてて「詩編交響曲」にハマっていた時期に恩師が「叙情交響曲も面白いぞ。」とマゼール/ベルリン・フィルのCDを借して貰ったことがきっかけでした。(その恩師にはその後、アミーロフやらエシュパイ、ヴラディゲロフといった旧ソ連マニアック作曲家を教えてもらうこととなるのでした……今思うと自分がクラオタになる土壌はここにあったのだなぁと(笑))

そんな経緯がありながらも、正直最初に聴いた時はよく分からずその後大学生になり色々なCDを収集し始めたから良さが分かった口であります。

 

閑話休題

 

ツェムリンスキーはウィーン生まれのポーランドユダヤ人の作曲家。リヒャルト・シュトラウスマーラーの影響下に作品を書いており、この「叙情交響曲」はマーラーの「大地の歌」を彷彿とさせ、多々関連性があります。

どちらも交響曲の形式を取りながら男女の声楽ソリストを用いた管弦楽伴奏歌曲の体を取っており、マーラーが中国詩集のドイツ語訳「葦の笛」を使ってるのに対し、ツェムリンスキーはインドの詩人ランビナート・タゴールの詩集「園丁」を使っています。どちらも非西洋の詩で東洋主義の影響下にあった20世紀初頭の伝統から革新への過渡期である当時のウィーン楽壇を反映しています。

東洋的で噎せ返るほど濃厚な音楽に巧みなオーケストレーションがひかる、。ツェムリンスキーの代表作であります。

 

そしてこの盤もう一つの目玉「交響的歌曲」。この曲は「アフリカは歌う」というアフリカの黒人詩人による詩のドイツ語訳詩集を使用した歌曲で、先に紹介した曲と同様に非西洋の再発見から生まれた背景を持っています。

「交響的」の名の通りツェムリンスキーの巧みなオーケストレーションによるダイナミックな音楽が堪能できる秘曲であります。

「叙情交響曲」は他にもマゼール、ギーレン、シノーポリ等の録音がありますが「交響的歌曲」はいかんせん録音が少ない珍しい曲なのです……。先に閑話休題で書いたマゼール盤を差し置いてこの盤を紹介した理由はこの曲のためであったりもするくらい、秘曲にしておくには勿体無い。、オススメの作品です。