七福蕎麦で会おう

自由を愛する自由人の音楽、小説といった創作やレトロゲームへの愛を綴るブログ。

いらないものが多すぎる - 大原扁理、鶴見済の著書を読んで

なんて歌詞の曲がThe Blue Heartsの歌であった気がします。

 

会社に拘束される時間が日に日に増えてきてかつ給料は上がらない……そんなんで将来どうするよ、って時に読み漁っていたビジネス書や自己啓発本の中で非常に興味深かった2冊をご紹介します。

なるべく働きたくない人のためのお金の話

なるべく働きたくない人のためのお金の話

 

  

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

基本的に、私は会社や組織に拘束されるのが嫌いな人間なのでこういった縛られない生き方というのにとても惹かれます。

 

ビジネス書や自己啓発本で多いのは「如何に稼ぐか」、「豊かになるために必要なマインド」を書いているものが多いのですが、この2冊は「如何にコンパクトに生きるか」、「そのための具体的な方法」を書くイデオロギー的には真逆のものとなっています。

 

大原扁理さんは20代半ばで都内の安アパートで年収90万、週休5日で「隠居」をしてハッピーライフを送っていた方です。(現在は台湾で隠居中だそうです。)

株やFXで大金を得てアーリーリタイア(隠居)するのは雲の上の話として聞き及びますが、大原さんのように低収入で隠居生活をする方の話は聞いたことがなく興味津々で読み耽りました。

低収入で生活するために身の回りを整理し、切りつめ、選別する様はストイックで最早修行僧の域ではありますが、社会に振り回されず自由な時間を生きる、この生き様は非常に憧れるものでもあります。

この本には大原さんご本人の一日の生活模様や倹約の方法、お金に対する持論が書かれておりいざ自分も、と思える本であります。……あと、気になる税金の話も載ってます(笑)

 

 

2冊目の鶴見済さんはデビュー作『完全自殺マニュアル』がベストセラーとなり一躍有名になった方です。

他にも『脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし』や『無気力製造工場』などありますが、この方の著書では「生きづらさを如何に克服するか」が一貫して、逆説的に書かれています。

この『0円で生きる』は過剰生産過剰消費の行き過ぎた資本主義に反抗して、如何にモノやお金を消費せずに生きるかがこちらもすごく具体的に書かれています。最低限の暮らしのためにどんな方法でお金を稼ぐかや無料で利用できる施設、自給自足の家庭菜園の作り方などなど。

現代の過剰な資本主義社会への疑問や今の世界のお金事情などを踏まえて書かれた脱資本主義とも言える強いイデオロギーを持った本ですが、非常に含蓄のある内容でこんな生き方も出来る、とためになる本です。

 

 

この二冊は共通して「今の息苦しい社会を別の視点から豊かにする」方法が書かれていますが、以前テレビで話題になっていた「ミニマリスト」に近い生き方でもあります。まさかミニマリストが過剰生産過剰消費へのアンチテーゼだとは思いも寄りませんでしたが……。

とは言え、これらのストイックな生き方全部をまねすることは難しいとは思います。そもそもこんな生き方望んでないぜって方の方が多そうですね。私自身、収集癖があるので究極的に切り詰めるのは難しいな、とも。

しかしここで一番重要なのは「自分がどう在りたいか」なので、これらの方法を自分の望む形に当てはめて修正、展開していくのが吉だと思います。大原さんも自身のハッピーライフのために試行錯誤した結果が今の「隠居」生活だと言っています。

私自身とても面白い生き方だと思ってますのでいつかは自分も「隠居」出来るよう試行錯誤したいと思います。

 

勿論実践はせずとも、会社への依存度が上がり抜け出せなくなってしまう前に、こんな考え方もあるんだと肩の荷を下ろす、それだけでも本書を読む価値はあると思いますよ。

 

 

お二方のブログはこちら、

大原扁理オフィシャルブログ「大原扁理のブログ」Powered by Ameba

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