七福蕎麦で会おう

自由を愛する自由人の音楽、小説といった創作やレトロゲームへの愛を綴るブログ。

「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。」を読んで居ても立ってもいられなくなったので書いてみた。

職場がでかい本屋の近くにあるので昼休憩の時間にはよく立ち読みをするようになりました。……勿論気に入ったものは買っていますよ(笑)

そこで今回出会ったのがこれです。

 

 実はまだ読み終えていないのですが、これまで形にならなかった感情が言葉を纏い沸々と湧き上がってきたのでブログにしたためてみようと思いました。

 

著書の青野慶久さんはサイボウズ株式会社というソフトウェア開発会社の設立者であり現在代表取締役の実業家。

タイトルに惹かれてこの本を手に取ったためそれまで全く存じない方でした。

サイボウズ株式会社を立ち上げた時期は典型的なブラック企業離職率も高く、業績も低迷していたそう。そんな会社の在り方を分析し、働き方を変えていった結果からの気付きが書かれています。

 

この本の表題にかかれている「モンスター」は何かを説明する時にまず 「会社とは何か。誰のためにあるのか。誰が会社を動かしているのか。」を明確にせねばなりません。

会社(本書ではあえて「カイシャ」と表記しています)とは、場所でも特定の人でもありません。ある理念の下に集った集合体ではあるのですが、会社に特定できる個はありません。

しかし社会のシステム上、そのビジネスで得たお金は会社に集まり、そこから分配されます。個のない会社にお金が貯まります。

そして個のない会社からお金を引き出し用途を規定するのは、社長……ではなく、これまた社会のシステム、会社法で規定された代表取締役。 

代表取締役ブラック企業の諸悪の根元、というわけではありません。

ですが、これまでの日本の会社の雇用形態や制度がその役職を堕落させる土壌を育んでおり、かつ理念の下に設立された筈の会社は徐々にその理念を忘れ(或いは達成された先を見据えることが出来ず)金儲けばかりを考えてしまうことになる。結果、お金は代表取締役(この役職は自分で好きに給料を決められるそう)の下に集まり社員はそれを肥やす働き蟻に……と、概要はこういった感じです。

 

不況だ人材不足だアベノミクスだなんだと言われていますが、問題なのはあらゆる既成のシステムが特定の利益のために更新されなくなってしまったこと、それを助長させたのがこれまでの制度、「終身雇用」と「年功序列」にあるのかなぁと思ったわけです。

 

とは言え、現在のシステムも微々ながら確実に破綻し始めているように思います。生き残るためには、破滅を回避するにはやはり変革が必要であり、サイボウズで実践された働き方改革の例がこの本に書かれています。

 

組織嫌いな私ですが、この本を読んでどうして組織はそうなってしまうのかの一端に触れられ、言語化された事象の数々に溜飲の下がる心地であります。

 

個々の経営者が青野さんの様なマインドを持てたら会社員の未来は明るくなるのだろうか……とか思いつつ、次に頁を走らせるのでした……。